インタビューvol.4
イラストレーター
山本 周司さん

「好き」から始まるエコなら
かっこいいし、続けられる


ストリート感あふれるPOPなイラストで人気のイラストレーター・山本 周司さん。「エコは楽しくなくちゃ!」という想いで、エコグッズの制作にも取り組んでいるそう。今回はそんな山本さんにお話を伺いました。

ゴミだったものが作品に

これまでの経歴を教えてください。

2000年からフリーランスのイラストレーターとして活動しています。広告やWebサイトのイラストを描いたり、ミュージシャンやファッションブランドとコラボレーションしたり。他には、アーティストとして毎年個展も開いています。

どんな作品を作っているのですか?

画材屋に売っているキャンバスよりも、木や廃材をペイントして使うことが多いです。ゴミだったものが作品になることは多いですね。僕は、美大で画材や技法を学んでアート作品を作っていくよりも、関連性のないところから勝手に作り上げていくストリートアートの感覚が好きなんです。バスキアも拾ってきた木に描いたりしますよね。価値のないものに命を吹き込んでいく、そういう感覚はかっこいいなと思います。

展示会ではグッズ販売もされているのですか?

毎回テーマを決めて作品を制作することはもちろん、それに合ったオリジナルグッズも作っています。これまではステッカーやバッジでしたが、今後はマイバッグやマイボトルも作りたいです。エコが生活の中に溶け込むのがいいなって思っていて。デザインする側も、そばに置いてもらえると嬉しいですから。環境にやさしいこともしながら、身の回りに寄り添うようなデザインができたらいいですね。

価値のないものに命を
吹き込んでいく、そういう
感覚はかっこいいな
と思います。

形から入ってもいいんじゃない?

作品を見ていると、楽しい気分になりますね。

ポップカルチャーとエコって親和性が高いですよね。環境保護に対する意識がない人でも、デザインから入ってエコに意識が向かうというのがカッコいいなって。「やらなきゃ」よりも「かわいいから使う」とか。

「エコ×かわいさ」を掛け合わせることで、多くの人に広まっていくのがイメージできます。

今後は、空き缶などのゴミをポップなキャラクターにした絵本も作りたくて。ポップカルチャーなら大人も子どもも入りやすいから。

プライベートでのエコな活動は?

作品を制作する中で、廃材やリサイクル品を使っています。このテーブル(以下、写真)は、工事で使われなくなった足場板を削って、ペイントして作りました。DIYが流行っているから、足場板もオンラインで簡単に手に入ります。

工事で使われなくなった
足場板をペイントして
作ったテーブルです。

木の質感がいいですね。

使い古された、ボコボコと丸みのある感じが好きなんです。以前、アメリカに住んでいたことがあるのですが、その時は道端のゴミ箱に捨てられていたスケボーを持ち帰って、ペイントしていました。

日本では、スケボーはなかなか捨てられていない気がします(笑)アメリカと日本では環境に対する意識が違いますか?

そうですね。日本だとスーパーの食材が1つずつパックされていますが、欧米では、はかり売りが一般的です。自分ではかりに乗せてボタンを押すとラベルが出てくるので、それをレジに持っていくんです。野菜もほしい分だけ買えるので無駄が出ません。

日本でも少しずつ増えていますが、まだまだですね。今回の「Green Ponta Action」アプリの中で実践していることはありますか?

歩くのが好きなので、「公共交通や徒歩で移動する」というのはやっていますね。片道20〜30分ぐらいなら歩きます。それと、「ゴミはリサイクル」もやっています。廃材やボトルに絵を描いたり。

一般的なリサイクルの概念ではなく、新しく価値をつけるというのがおもしろいですね。

あ!マイボトルも持っていますよ。「いかにもエコ」は抵抗があるけど、好きなデザインのものを持って、気付いたらエコな活動になっていたらいいなと思います。

好きなデザインの
ものを持って、気付いたら
エコな活動になっていたら
いいなと思います。